各地で観測史上最多の雨量となった東海地方では、道路の冠水や建物への浸水など、様々な被害が出ました。被災した地域では復旧に向けた作業が続いています。一時、孤立状態となった病院を取材しました。
愛知県豊川市の総合青山病院。この病院は大雨の影響で、一時、孤立状態となりました。
「孤立状態になってしまったので、外からの支援も受けるに受けられない状況。病院の中にある物資で何とかしないといけない状況が一番困った」(総合青山病院 鈴木亜紀 事務長)
病院の周りが冠水し、外から入れない状態となりました。
受付や診察室が濁った水につかる
3日、午前6時に撮影された映像では、病院の1階部分が濁った水につかっています。
水は足のくるぶしくらいまであり、パソコンなどの電子機器の一部も水につかってしまっています。1階には受付や診察室などがあります。
当時、病院には、あわせて190人ほどがいたということです。職員や入院患者のほか、病院の周囲で立ち往生して避難してきた人もいました。
上の階に避難をして、売店の食料や非常食などでしのいだといいます。
浸水した1階部分の復旧作業進む
水が引いたのは3日午後。市からの支援が受けられるようになり、食料が届きました。
「ほとんど病院の保存食はないので、市からの支援物資でつないでいく」(病院の職員)
浸水した1階部分では職員が清掃を進めます。
「水が引いた時点で手分けして、一生懸命やっていた。ただ、みんな疲弊していたので次の職員が来た段階で交代した」(鈴木亜紀 事務長)
しかし、浸水により、電子カルテやレントゲン撮影に関する機器が故障してしまいました。
「レントゲンの撮影や検査のシステムがダウンしている状況。手術が緊急ではない方は延期させていただいて対応している。手術できてもその後の確認ができないとリスクの管理ができないことが大きい」(鈴木亜紀 事務長)
一部の入院患者の受け入れや薬の処方は可能
一方で、一部の入院患者の受け入れや薬の処方は可能だということです。職員は夜を徹して復旧に向けた作業を続けています。
「きのう夜中じゅう作業をして、一部お薬を処方できるようになった。そこまではなんとか対応したので、きょう問い合わせあった方で、お薬の必要な方だけは最低限受け入れていく。間口を広げられるところまでは、広げて対応している状況」(鈴木亜紀 事務長)
完全復旧のめどは立っていませんが、病院はできるだけ早く診療を再開したいとしています。
(6月5日15:40~放送メ~テレ『アップ!』より)