日本時間21日未明、国連安保理の首脳級会合が行われました。ウクライナのゼレンスキー大統領と対面で同席するとみられていたロシアのラブロフ外相は会合の冒頭、姿をみせませんでした。
■ゼレンスキー大統領「10項目の和平案」を説明
グテーレス事務総長:「ロシアのウクライナ侵攻は、明確な国連憲章違反だ。地政学的な緊張を高め、地域情勢を不安定にしている」
世界中が見つめるなか、国連安保理の場に挑むゼレンスキー大統領。その表情は固く険しいものでした。
侵攻された国家の元首が、敵国の外相と公に対峙(たいじ)する異例の舞台。しかし、ロシアのラブロフ外相の姿はありません。
ゼレンスキー大統領:「ロシアはウクライナ人を少なくとも数万人殺害し、家屋を破壊することで数百万人を難民に転落させた。世界の大半は、この戦争の真実を認識している。ウクライナの領土と資源の収奪を目的とした、ロシアによるいわれのない犯罪的な侵略だ」
ロシアの侵攻を厳しく批判したゼレンスキー大統領。ロシア軍の完全撤退やすべての領土の返還などを求める「10項目の和平案」を説明しました。
■ロシア次席大使…スマホ画面見せ大笑い
1日前の初の“対面演説”でも、ロシア側は冷たい反応をみせていました。
目の前でゼレンスキー大統領が演説をし、ロシアを名指しで批判していますが、ロシアの代表団は目を向けることは一切ありません。目線を手元に落としたままです。
自国が名指しで批判されているにもかかわらず、ロシアの次席大使は、隣の女性にスマホの画面を見せて大笑い。
記者に「ゼレンスキー氏が話しているのに気づかなかった」と答えたそうです。
■ラブロフ外相「25分間演説」あまりの長さに…
日本時間21日、安保理での演説を終え、ゼレンスキー大統領が退席すると、入れ替わる形で議場に入ってきたのはロシアのラブロフ外相です。
ラブロフ外相:「人権の尊重。とりわけ母国語を話す権利の保証の下でのドンバスとウクライナの再統一。そして、これらの合意の不履行を思い起こす。西側諸国は、ウクライナの崩壊と市民の扇動に直接的な責任を負っている」
ラブロフ外相はゼレンスキー大統領不在のなか、10分も長いおよそ25分間演説し続けました。
あまりの長さに、議長を務めるアルバニアのラマ首相も紙に円を描くような仕草。紙には落書きのような模様が残されていました。
ロシアの拒否権発動で、安保理がウクライナ侵攻をとめる行動がとれないなか、ゼレンスキー大統領は「国連総会に安保理で行使された拒否権を覆す力を与えるべきだ」と訴えています。
(「グッド!モーニング」2023年9月21日放送分より)
[テレ朝news]