“紀州のドン・ファン”と呼ばれた資産家の男性を殺害した罪に問われている元妻の裁判員裁判で、18日、検察は無期懲役を求刑しました。被告が最後に訴えたこととは…。
検察
「無期懲役に処するのが相当です」
求刑を聞いた時、動揺する様子はなく目を伏して下を向いていた元妻の須藤早貴被告(28)。
和歌山県田辺市の自宅で“紀州のドン・ファン”と呼ばれた資産家・野崎幸助さん(当時77)に何らかの方法で致死量を超える覚醒剤を摂取させ、殺害したとされています。
須藤被告
「私は社長(野崎さん)を殺していませんし、覚醒剤を飲ませたこともありません」
逮捕から3年以上経って始まった裁判員裁判で、須藤被告は一貫して無罪を主張。
犯行を示す直接的な証拠がない中、検察側は「莫大な遺産目当ての殺人」だったと主張。関係者28人が証言台に立ち、密売人とされる男の1人が、須藤被告とみられる女性に覚醒剤を販売したなどと証言しました。
一方、須藤被告は3日間にわたる被告人質問で…。
須藤被告
「社長(野崎さん)から『覚醒剤を買ってきてくれませんか?』と頼まれました」
「遺産目当てということは誰にも隠してない」
検察側の主張を真っ向から否定しました。
18日、検察側は…。
検察側
「第三者が侵入した形跡はなく、 覚醒剤を摂取させたのは被告人以外に考えられず、遺産が目的だったことは明らか」
そして、求刑は…。
検察
「1か月前から準備して殺害を実行するなど計画性のある犯行で、命や財産を奪われた結果は重大。無期懲役に処するのが相当です」
これに対し、弁護側は…。
弁護人
「どうやって覚醒剤を飲ませたかも明らかになっていない。検察の仮説は、想像の産物」
改めて、無罪を主張しました。須藤被告は最後にこう訴えました。
須藤被告
「ちゃんと証拠を見て判断していただきたいです。よろしくお願いします」
直接証拠がない中での裁判員裁判。判決は12月12日に言い渡されます。
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